2017年09月15日

(再掲載)the 4th ACID CAFE 開催のお知らせ

標記についてですが、9/23に開催します。もう少し人数に余裕があるので、興味のある方はぜひご連絡ください。

内容は、従来通り飲み会の中で、各人がA4一枚程度にまとめた研究成果を、互いに報告しあって、高めあう、というものです。もちろん飲み会だけの参加でも結構です。
詳細は添付のpdfをご確認ください。参加希望の方は、9/21までに連絡ください。

どうぞよろしくお願いします。



4th ACID CAFE program
9月23日(土) 19:30−24:00

第1部 19:30−21:30
 場所:Man in the Moon 柳馬場六角店
(※烏丸店ではありません!!)
 会費:5,000円
第2部 22:00−24:00
 場所:旬菜鮮魚 ばんけっと Nishiki.
 会費:3,000円


★詳細案内〜参加者の皆様へ〜★
皆様の研究テーマおよび業務内容について、まとめた資料をぜひともお持ちください(作成方法は下記参照)。ただし、必須ではありません。まずはお気軽に、ご参加いただくだけでも大歓迎です。内容やテーマ、既発表・未発表は問いません。様々な分野からの意見・指摘により、ご自身の研究がより良質なものへと変化するはずです。薬剤師から研究者、初学者からエキスパートまで、 “One for All, All for One”の精神で忌憚のない意見とアドバイスを出し合いながら交流し、本会をお楽しみいただければと思います。ぜひ、たくさんのご参加、お待ちしております。
【資料作成方法】
A4 1枚程度(形式不問)、参加者分をご用意ください。(25名程度)
※未発表データ等を含む場合、資料回収・データ閲覧は本会内のみ等としていただいても結構です。
posted by だっちょ at 15:24| Comment(0) | ACID | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月30日

CRRT 時のセファクロルの投与量を考察する。

今回は大腸菌尿路感染症に対するCRRT時のセファクロルの投与量について考察してみる。

まずゴールドスタンダードの1つである某SRSG病院ガイドラインを拝読するに、透析患者では250mg 1日2回とある。保存期腎不全ではCcr 10-50 mL/minで250mg×3, Ccr 10 mL/min以下で250mg×2とある。なるほど。ただし、その根拠を見ると、どうも大きな根拠ではないようだ。

インタビューフォームで薬物動態を評価してみる。む、クリアランスが記載されていない。そこで単回投与時のAUCからクリアランスを評価してみる。250mg投与時のAUCが9 μg・hr/mL のようだから、CL=Dose/AUCの式で、250000μg/9 = 28 L/hr。
経口なので正しくはCL/F = 28 L/hrとなる。バイオアベイラビリティを調べてみると、これまた記載がない。尿中排泄率をみると72-74%などある。考えやすいように75%としておこう。割と尿中排泄率が高いことを考慮すると、少なくとも吸収率は75%以上ありそうだ(吸収されないと尿中排泄されないため)
適当にググってみると、93%のバイオアベイラビリティとの記載も見つかる。pubmedで検索するがこの情報の基は見つけられなかった。ひとまずこの情報を採用し、考えやすいように90%とする。

ということは、純CLは28L/hr×0.9で25 L/hrということか。大きいな。腎排泄率Ae = 75 % とすると、腎クリアランスが18 L/hr, その他クリアランスが 7 Lhr程度となる。

そこでAKIにより腎機能が廃絶した場合の投与量について考えると、腎クリアランス 18 L/hrがほぼゼロになると考えると、体クリアランスは7 L/hr程度まで低下することになり、ここで投与量は25 % まで減らして良い計算になる(Aeの逆と考えてよい)。さらにCRRTを考慮するならば、排液流量 600mL/hrとするならば、血漿蛋白結合率が 25 % 程度のようなので、CRRT クリアランスで450 mL/hr = 0.45 L/hrが得られる。
7L/hrに0.45 L/hを足しても大差ないので、これはつまりCRRTでの投与量調整は必要ないことになる。

さて、では7L/hrの腎外クリアランスがどこまで正しいのか。
Int J clin pharmacol biopharm 1979 17 397-400 によると、尿細管分泌クリアランスは18 L/hr ほどあると書いてある。む、さっきの腎クリアランスそのものではないか。血漿蛋白結合率 25 % を考慮すると、糸球体濾過によるクリアランスは 4 L/hrほどはありそうなので、腎クリアランスは22 L/hr程度になりそうである。この文献には、尿中で分解もしているために、腎クリアランスを過小評価している可能性があると指摘されている。再吸収の可能性もあるが、いずれにせよ、先ほど算出した7L/hrの腎外クリアランスはおそらく最大値で、より小さいであろうことを推測しておく必要があろう。腎機能低下に伴って腎外クリアランスまでも低下する薬物はたくさんある。そこで、感覚的ではあるが、ここは3 - 7 L/hr、ええい、5 L/hrの腎外クリアランスとしておこう。

そうなると、25 L/hrの健康人に対して、CRRT患者のクリアランスは 5 L/hr程度なので、投与量は1/5 までは減量できる、という計算になる。この濃度推移をBMs-Podで確認しておこう。

分布容積 0.2L/kg, 体重 60 kgとして、健康成人クリアランス25 L/hrでは、500mg 8時間おきではトラフ値は0.001μg/mL程度になる。これはインタビューフォームでも確認される。そもそも100% の%T>MICが必要なわけではないので、とりあえずよい。としておく。
一方クリアランス5L/hrで、SRSGガイドラインのように250mg×2とすると、トラフ値0.2μg/mLとなる。上昇した。1/5ではなく1/3(1500mg/日⇒500mg/日)にしか投与量を減らしてないので、上昇するのは当然である。ただ、MICを考えるとどうか。

インタビューフォームからみるE.coliのMIC90は3 mg/Lとある。MIC 3 mg/Lでは、血中 %T>MIC 43 %となる。遊離体を考慮すると 30 % 程度か。一般的なセファロスポリン系薬の目標%T>MIC 60-70% と考えると、これではいかんか。


250mg×3では、トラフ値 1.0 μg/mL, %T>MIC 66 %、遊離体で50 % 程度か。やや低めではあるが、食後投与で吸収を遅らせることが出来るために、もう少し大きめの値が得られそうである。また、尿中では、腎機能障害があるとはいえ、尿は出ている。2 mL/min程度の糸球体ろ過速度があれば、尿中濃度は2倍にはなるので、何とかなるのではないか。まあこれでいこうか。


という流れで投与設計します。なんか所か仮定がありますが、そう的外れなことは言ってないと思います。仮定を重ねているので学術的には証明には至りませんが、臨床的な判断としては妥当でしょう。

実はこの流れで健康成人で、MIC = 3 mg/Lの場合、500mg×3で%T>MICは22%程度になります。あまりよろしくありませんが、一般的には治療できるとされています。免疫が正常な方なら大丈夫なんでしょうが、免疫が弱い方は、しっかりとした投与量が望ましいでしょう。ちなみにS.pyogenesのMIC90は0.2 mg/L程度なので、特に問題ありません。

なんで今回セファクロルを出したかというと、バイオアベイラビリティが高いと、必ずしも効果が高いというわけではなく、あくまでpharmacodynamics(PD)との兼ね合いということを意識するべきと思うためです。


それとタイトルに対する結論ですが、
CRRT 時のセファクロルの投与量調整は特に気にする必要はなく、CKDステージなどで判断して良い、です。
posted by だっちょ at 12:07| Comment(0) | 薬物動態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月29日

the 4th ACID CAFE 開催のお知らせ

標記についてですが、9/23に開催します。内容は、従来通り飲み会の中で、各人がA4一枚程度にまとめた研究成果を、互いに報告しあって、高めあう、というものです。もちろん飲み会だけの参加でも結構です。
詳細は添付のpdfをご確認ください。参加希望の方は、9/15までに連絡ください。

どうぞよろしくお願いします。



4th ACID CAFE program
9月23日(土) 19:30−24:00

第1部 19:30−21:30
 場所:Man in the Moon 柳馬場六角店
(※烏丸店ではありません!!)
 会費:5,000円
第2部 22:00−24:00
 場所:旬菜鮮魚 ばんけっと Nishiki.
 会費:3,000円


★詳細案内〜参加者の皆様へ〜★
皆様の研究テーマおよび業務内容について、まとめた資料をぜひともお持ちください(作成方法は下記参照)。ただし、必須ではありません。まずはお気軽に、ご参加いただくだけでも大歓迎です。内容やテーマ、既発表・未発表は問いません。様々な分野からの意見・指摘により、ご自身の研究がより良質なものへと変化するはずです。薬剤師から研究者、初学者からエキスパートまで、 “One for All, All for One”の精神で忌憚のない意見とアドバイスを出し合いながら交流し、本会をお楽しみいただければと思います。ぜひ、たくさんのご参加、お待ちしております。
【資料作成方法】
A4 1枚程度(形式不問)、参加者分をご用意ください。(25名程度)
※未発表データ等を含む場合、資料回収・データ閲覧は本会内のみ等としていただいても結構です。
posted by だっちょ at 08:15| Comment(0) | ACID | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月14日

CRRTと薬物動態と薬剤師

2017年9月9日に、福岡で臨床工学技士向けの研修会で、“CRRT時の薬物動態”というタイトルで特別講演を仰せつかっております。クローズの会なので詳しくは明かせません。
過分なタイトルですが、臨床工学技士さん達は恐らく、薬剤師が一般に知っていることと受けとめるでしょうが、そうは考えて欲しくはないと伝えておきます。むしろお互いの専門性を発揮してコラボしましょうと伝えておきます。
残念ではありますが薬剤師はCRRTは苦手です。もちろん薬学教育にもなく薬物動態の応用編ですし、とあるメーリスでもそう判断されました。私も集中治療室で勉強したからこそ話せる内容です。

ここでは、CRRT時の薬物投与量調整の3つの誤解をコアテーマとして話をしようと思います。どれか1つでも興味を持ったなら、いつか議論しましょう(^^)

誤解@ CRRTの浄化量によるCcrで、全ての薬物投与量を計算する。
誤解A 肝代謝型薬物は、CRRT時には投与量調整は必要ない。
誤解B 分布容積の大きな薬物は、投与量調整は必要ない。



ちなみCRRTの投与量調整に関する問合せはは、集中治療室だけでなくて薬剤部にも来ますよね。集中治療室担当薬剤師だけが知ってればいい話ではないはずです。

「質問はICUだけに来るんじゃない! 薬剤部にも来るんだー!」
posted by だっちょ at 23:26| Comment(0) | 薬物動態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月26日

抗菌薬おさらい帳に関するQ & A

先日こんな質問を受けた。なかなかeducationalなので、公開します。

Q.透析患者の場合、の項目で『透析はあくまで血液(細胞外液)の浄化のみ』とあるのですが、細胞外液ということは間質液も透析されるということでしょうか。0.2l/kgの細胞外液で説明があってて、《血液透析なら血液だけで0.05l/kg》が除去されるから0.05/ばんこの分布容積0.6で8パーセントが除去されるとならないんですね?血液と間質液の間の水の行き来はそんなに激しいのでしょうか。ながくなりすみません、つい気になって。。

A.血管内に入った水がどのように移動するかを考えると理解できます。水は体の中で物質を運ぶ担体として存在していますので、どこにでも自由に移動することができます。ただその移動様式は場所場所ごとに様々です。血管から血管外に移動するときは、単純に多孔性の血管壁を通るだけですので、スムーズに外に出ていきます。なんのエネルギーも必要ありません。出ていった先が、間質液になります。その水を担体として、様々な物質が血管外に運ばれます。孔を通るだけですのでたいていスムーズに移動します。しかし、もちろん物が大きければ大きいほど移動が鈍くなります。血管壁の孔の半径は30-35Å程度とされており、分子量69000のアルブミンは半径が36Åですから、基本的には通過できません。逆に、通常の低分子(水:MW=18, 薬物:100-2000)であれば、ほぼ問題なく通過できるわけです。
ほかに水の移動様式は、濃度勾配によるもの、トランスポーター(アクアポリン)によるもの、が一般的です。

ここから先はアンサーしていない追記です。アルブミンは上記のとおり血管外には出ないとなっていますが、実際には多少出て行っています。大体血漿の1/3程度の濃度で間質液に存在しています。
ここから先は私の考えを書きます。
血管内と間質のアルブミンで濃度勾配による水移動がなされていると考えても間違いではありませんが、実際にはその存在比率は一定と考えられていますので、考慮する必要はほとんどないと思われます。ただし、炎症などで一過性に間質液やさらなる先へアルブミンが移動することにより、いわゆるサードスペースへの水の移動が起こると考えられます。つまり、炎症性に血管内のアルブミンが低下する場合、血管内容量を補完しようとアルブミンを投与することもありますが実際にはサードスペースへアルブミンを送り込むことにもつながり、むしろ浮腫を助長するとも考えられます。一時的に確かに利尿は得られますが、そのあとのアルブミンの挙動を考えるとマイナスになると考える方が自然です。つまり、敗血症や炎症性疾患の場合に、理論的にはアルブミンを投与する意義は、細胞外液だけでは何ともならない場合に血圧を維持するためだけと考えられます。

参考図書:薬学性のための生物薬剤学第2版、後藤茂、金尾義治著、廣川書店
posted by だっちょ at 22:46| Comment(2) | Q&A公開コーナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする