2017年03月12日

薬剤師の医系学会での在り方を憂う

先日、初めて集中治療医学会@札幌に参加してきた。今回はシンポジウムも薬剤師のものが多く組んであったり、今までに無い薬剤師の参加者数があったりなど薬剤師の活躍が目に留まり、“薬剤師元年”などと表現して先生方もおられた。ただ、私は今回の学術集会に参加するに、むしろ”今後の薬剤師は危うい”と思ってしまった。

医系学会の中で薬剤師がそこまで力を発揮できるのは異例である。化療学会に次いで、大きなことであろう。そのあと、○○薬学会などになり、独立してしまうことも多い。独立は医師に薬剤師の力をアピールする機会を失うだけなので、全く良くないと思う。くれぐれも集中治療薬学会など出来ないことを祈る。

ただ、勘違いしてはならないのは、今年は薬剤師元年などではなく、ゼロ年と考えた方が良い。医師から薬剤師に向けて“チャンスを与えてくれた”に過ぎないのである。まだまだ試用期間なのであり、試用期間でのアピールを失敗すれば、元年など永遠に来ない。本年の学術集会を持って集中治療における薬剤師の立ち位置を“確立した”などと唱えるならば大きな勘違い野郎である。

これまで集中治療における薬剤師をアピールするような成果が出て来ているのは素晴らしいことである。そしてそれらが継続しつつあるからこそ、今年の学会ではチャンスをもらえたのである。そのチャンスを活かすにはどうすれば良いか。それはもちろん質の高い議論を展開して、よいエビデンスにつなげることである。大変失礼かもしれないが、今年の演題発表を拝見するに、充分なエビデンス、またはそれに繋がるような発表は見つけられなかった。と、いうことは、今後の集中治療医学会における薬剤師の時間は削られてもおかしくないということである。集中治療医学会において他にも議論すべき領域は山ほどあるし、存在をアピールしたい団体はたくさんある。検査や栄養、工学技士などある。そんな彼らにせっかくのシンポジウムなどの時間をとられないよう、危機感をもってやらねばならない。

薬剤師が医系学会で頑張って発表することは評価に値する。学術的に一生懸命に考えて報告してくれたわけである。しかし、そこで止まってしまっては無意味、もしくは学会や社会に向けて悪影響にしかならない場合も多い。だからこそ議論が必要なのである。医師、学会、社会のために、忌憚のない、時には厳しい、議論を重ねて、いい方向にもって行こうとする議論を展開しなければならない。そうすれば、医師を含め他職種から、“薬剤師にセッションを与えて良かった、当然だな”という評価に繋がるであろう

今回、いくつかの質問や意見を出したが、それについて、厳しい質問だった、などと話しかけてくれた聴講者もいた。そういう意見を聞くからこそ今回こんな記事をつい書いてしまった。
これは集中治療医学会に限る話ではない。

多くの薬剤師に問いたい。薬剤師の評価を高めるために、医系学会であるべき姿を。
posted by だっちょ at 20:27| Comment(2) | 薬剤師 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする