2016年12月01日

本日は臨床薬理学会での発表

先ほどオーラルを終えてきた。内容は、小児のバンコマイシンの母集団解析と用法用量設定について。

結論としては、抗菌薬TDMガイドラインの用法用量は割といけそうということが言えた。みなさん、安心して使ってくれい(笑
ただ、2歳未満はやや足りないかもしれない。もう少し多めに投与しなければならない可能性が高い。そこは注意をお願いします。前向きで検討していきます。

ただ、臨床薬理といえばファーマコメトリクスを率先して引っ張っていっており、母集団解析も活発なので、もっと厳しい意見が出るかと期待して行ったんだが、今回はそうでもなかった。臨床ファーマコメトリクスがあまり受け入れられないのか、たまたまの聴衆によるものなのか、厳しく解釈すれば自分の発表がぜんぜんで、興味を引きだすことが出来なかったのかは定かではない。

今度感染系の学会でも出していこうと思っている。来年の西日本あたりか、IATDMCTあたりかなぁ。

もっと頑張ろう。。。
posted by だっちょ at 17:26| Comment(0) | pharmacometrics | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月22日

抗菌薬の臨床薬理の概念を臨床現場で応用するのは薬剤師

我が家は昨日やっと水が出ました。しかしやや泥を含んでいますので、ちょっとした洗い物にしか使えません。一歩ずつ進んでいます。今日は晴れです。



とはいえ、現況ばっかり報告してもつまらないので、ここで一つ学術的な内容を挙げておく。



薬剤師は医師とは違う視点で抗菌薬治療に貢献できるように、臨床薬理的な視点を持つとべきである。エビデンスが足りないことは、使えないことと同義ではない。エビデンスをうまく構築できていないだけである。

例えば、fosfomycinの話をしてみる。
fosfomycinはもっとしっかりと使用の可能性を検討するべき抗菌薬の一つであると思う。

pharmacocynamics(PD)のところをちょっと確認してみる。やや濃度依存性があるものの、ほぼ時間依存性と言っていいだろう。ややβラクタムよりも殺菌力は小さめに見えるが。
 JAC 2015; 70: 3042-3050

耐性機序として、菌体内への移行を担うプロテインをコードしている遺伝子glpT, uhpTの変異。
プラスミドに乗っているfosA fosA3 fosC2 によるfosfomycinへのグルタチオン修飾などが指摘されている。
 PloS One 2015; 10: e0135269.

ただ、MICのブレイクポイントが64mg/Lとなっていることに要注意である。国内添付文書用量4g/dayでは、トラフ値で10μg/mLにも満たない。




これまで国内であまり信用されていないのは、これらをしっかり考慮した投与がなされていないために効果をしっかりと得られていないからじゃないかと。

MICを見つつ、シミュレーションを行いつつの投与は必ずメリットあると思う。薬剤師ってこれまでこういう臨床薬理をきちっと考えてこなかったのは事実だと思う。臨床薬理は臨床試験の段階では当然考えられている。当たり前である。が、実際に臨床に出てきた場合にPDの情報が異なることもよくある。fosfomycinの例ならば、臨床試験であつかった菌のPDと臨床に出てきた後のPDの差があるということである。今、基本的にはCLSI基準のMICブレイクポイントで64 mg/L以下で、”感受性”とでたならば、それならばとりあえず使ってみるか、となるが、その内実がわからんようでは、投与量調整ができなかったりする。MICをしっかり理解して、濃度依存性や時間依存性などを判断して、投与設計さえできればいいわけである。これが臨床薬理なのである。



この辺は、臨床医にしろ薬剤師にしろ、あまり得意とするところではないと思う。実際のところ、臨床薬理学研究室って割とコアな印象を持たれており、医薬品開発で力を発揮しているものでしょ、というように感じている人も多いのではないだろうか。

例えば抗菌薬一つとっても、抗菌薬の投与法はどのガイドラインにはどう書いてあって、どのスタディではこういう結果がでている、という事実をかき集めて投与決定する、というスタンスがある。薬剤師もよくやっており、良いアプローチなのではあるが、それは臨床医の抗菌薬投与決定アプローチと同じなのである。そうなると、fosfomycinはエビデンスがなくて使いづらい、などになってしまう。

しかし、薬剤師はまた違う目線を持つことが出来る。臨床薬理は薬物動態と薬力学の概念療法を含んでおり、薬物動態に強い薬剤師は、理解はきっと早いはずである。

薬剤師として、医師と違う目線で抗菌薬の投与方法の検討を行う手法として、臨床薬理の観点を持つとより建設的な意見交換が出来るはずである。エビデンスが足りないことは、使えないことと同義ではない。エビデンスをうまく構築できていないだけである。逆に、有意な大規模臨床試験の結果が出たとしても、そこに理屈が伴ってなければ、p<0.05で有意差があったとしても、その5%に入っただけじゃないの?という疑念が常に付きまとうのである。

なぜこんな話をするのか。型通りの抗菌薬治療に限界があることは多くの臨床医、薬剤師が感じていることだろう。型通りというのは、教科書的、ガイドライン的、ということである。では型通りじゃないことを実施しようとすると、そこに理屈が伴ってなければ患者の害にしかならないし、応用性もない。その理屈を支えるものが臨床薬理である。副作用の問題で重要な薬が使えない場合、型通りの治療では代替薬がない場合、あなたならどうしますか? 小さな報告を見つけて応用しますか?それはそれでよいが、そこに臨床薬理的な考察を踏まえてやるべきである。海外の報告が必ずしも正しいとは限らない。具体例を挙げればdisることにしかならないが、例えばかの有名なJ.A.Rの報告するPPKの報告は、適切でないものが多いと判断している。

んで、この臨床薬理を活用するために必要な概念が、pharmacometricsである。




うーん、言いたいことが山ほどありすぎて、まとまりませんなぁ(笑
posted by だっちょ at 08:27| Comment(0) | pharmacometrics | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする