2012年08月04日

処方支援

最近の仕事のトレンドがこれ。病棟薬剤業務加算に向けての取り組みのひとつだ。
忙しい医師のために、処方支援、オーダリング代理入力を行おうというものだ。
病棟常駐しているわけではないので、空いた時間になんとかやっている。

これは医師によって差があるが、内科系ではあまり要望がない。呼吸器、循環器はあまりやることがない

しかし外科や整形外科では大変依頼が来る。この流れを作ってしまえば、薬剤師がいないと仕事が回らないという風になる。
武者震いがしそうだなw

俺は今整形外科でそれをやっているんだけれども、より患者や病棟に深く接するチャンスにもなる。面白い。
バイタルはぼちぼち確認するようにしている。下肢浮腫の状態であったり、脈拍であったり・・・・
聴診器では最近有意なアプローチはない。
結構処方提案すると聴いてもらえることが多い。特に利尿薬の調節はここ最近何度かあった。利尿薬の調節にはバイタルをきちっと把握しなければならない。そこを踏まえて提案するとすんなり聞いてもらえるというわけだ。抗菌薬以外にもいいアプローチが出来ていると思う。

いやー、病棟常駐している先生方をうらやましくも思った。たぶん代理入力はしないまでも、やはり病棟や患者に深く接しているという経験は、他では中々得がたいものがある。

俺はDIの専任なので、今後も病棟常駐、専任になることはなかろう。俺の今の仕事はこの業務を立ち上げて、上手く流れを作って他の若い薬剤師にバトンタッチすること。少し寂しくもある。

しかし俺の理想は全病棟横断的に関与、バックアップできる存在になること。地道にがんばりましょう。



そういえば、月間薬事に俺の記事がちょろっと載っているので良かった見てみてください。
最後の方でpneumocystis jirovecii肺炎に関して書いています。
posted by だっちょ at 06:47| Comment(2) | 臨床活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月07日

excitingなフィジカルアセスメントの例

当院でまだ導入段階なんだけど、聴診器を使ったフィジカルアセスメントによる薬剤管理指導を開始した。
オレがモデルとなって出来ることを探すことからはじめている。
担当病棟の医師や看護師にコンセンサスをとって実施している。
今回処方提案にいたった例を報告してみるw

患者:70代、男性(今家にいてうろ覚えw)
疾患:薬剤性肺炎
経過:上記疾患にて入院。そもそもは珍しい症例なので、肺音などを聞かせてもらおうと思って患者のところへ伺った。肺野:異常音なし、頸部呼吸音にcoarse crackleあり。心雑音なし

( ´_ゝ`) フーン

あまりはっきりせんなw
今回は間質性の炎症で両側性の結構ひどいやつだからfine crackleが聞けるかなと思ったんだが・・・
もしかしたらもっと上手くなると肺野で聞けるようになるかな
この辺は経験をつまないとよくわかんないところ


話の中で便秘がするとの訴えがあった
調べると7日前よりカマグ0.75g 3×/dayで内服あり、センノシドも2T/dayで内服しているようだ。
腸音を聞かせてもらうと蠕動運動+だった。

こりゃカマグ用量調節の一手だなとおもって、さらに薬歴を確認すると2日前よりランソプラゾール15mg/dayが開始されていた(薬剤性肺炎に対するステロイドによる潰瘍予防のため)

ランソプラゾールにより胃内PHが上昇するとカマグの効果が落ちる
これらを踏まえて用量を検討するんだが、この辺はまあ大体でよかろうと思い。2.25g 3×/dayに増量を提案し、了承された。適宜減量という指示もあわせて出した。腎機能低下例には増量も難しいが、今回はCcr = 70mL/min程度だった。

結果は来週頭に確認しよう。


・・・

例えば腸音を聞いて処方提案をするところまでは看護師だけではなかなか実施できないところ。
特に今回はランソプラゾールの影響があり、薬剤師でないと中々ここまで出来ないだろう。Ccrの評価も重要だ。
excitingな事例だった。

薬剤師の実施には賛否両論だが、今回の事例は薬剤師のspecialityによるフィジカルアセスメントが有効であった一例だと思う。
ほかにもβ blocker内服中による薬剤性喘息などもspecialityをもって介入できるいい例だと思う。

感染症の立場で言えば、例えば病院に感染症内科が出来たり感染症専門医が出来ると感染性心内膜炎が増えるとの報告がある(積極的に疑えるということだな)。感染症専門医以外では中々疑わないところがあるということを示している。
Scand J Infect Dis. 2012 Apr;44(4):270-5. Epub 2011 Dec 18.
Impact of infectious diseases service consultation on diagnosis of infective endocarditis.
Yamamoto S, Hosokawa N, Sogi M, Inakaku M, Imoto K, Ohji G, Doi A, Iwabuchi S, Iwata K.
PMID:22176644
(尊敬する日本の医師の方たちがズラリ)

当院には感染症専門医や感染症内科はいない。オレが聴診器を使うことで、感染症患者の心音から心雑音が聞けたなら、血液培養提出やエコーを積極的に提案して、見つけてみたいと思う。
そんなvery excitingなことをいつか経験してみたい。
posted by だっちょ at 21:45| Comment(0) | 臨床活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月05日

病棟薬剤管理加算と職能

今年度から病棟薬剤管理加算がついた
平たく言えば、病棟で何かしら他職種の方の負担軽減ができていればお金をあげますよというもの

他職種の方の負担軽減という形が目的になってしまっている感じがあるので、薬剤師のそもそもの職能を持って関わらないと、ただの便利屋に終わってしまう可能性が高い。
当院では今年6月をメドに開始しようかなど言っているが、そんなに人数がいるわけではないので基本的に若い薬剤師がそれを担う。

実際に上がった時に、患者安全性の向上や治療効果の向上を目的としたアドバイスができなければ、ただの薬剤セットを行う為の便利屋にしかならないと思う。

薬物治療に関して有意な情報を与える為には、薬物動態学の知識は必須だと思う。
患者に合わせた薬剤投与量の設定は、ADMEの変動を考慮しなければ不可能な話である。

TDMは薬物動態学を理解するための第一歩といっても良いと思う。
しかし若手など(今年6年生卒業した新人も含む)に”TDMはどう?”などと話を振ると

「いやーあまり得意ではありませんね」

などの答えが返ってくる
医師が最も苦手としている薬物動態学を薬剤師が担わなくてどうするのか
他に誰がやってくれると言うのか。添付文書による投与設定だけを考えるならば(忙しさを考慮しなければ)医師で十分である。薬剤師のみによる専門性という点に欠ける。

つまり最低限の薬物動態学を理解しなければ、薬物治療に関して有意な情報を与えられず、ただの便利屋になるわけである。

これは一例であり、当然のことながら配合変化に関する知識にはPH分配仮説などの知識もいるし、いろんな専門性を発揮する必要がある。

そして専門性以外の点では、さらにスキルミックスに基づいた知識も必要になる。
少なくともバイタルサインが意味するものを理解していなくて、患者のベッドサイドに向かって何ができるのか。



病棟に深くかかわるということはそれ相応の知識が必要になる。
当院でも便利屋にならず、医療の質を上げる為の常駐というのを達成していきたいと考える。
posted by だっちょ at 13:57| Comment(2) | 臨床活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月16日

抗菌薬コンサルテーション

昨日は抗菌薬コンサルトがあった

俺は病院内で抗菌薬適正使用に関するコンサルトを受け付けているのだが、
まだまだ未熟である。



今回のはまだ抗菌薬を投与する前の症例だったので、グラム染色を実施して抗菌薬を選択してみた。
たまにこんなこともやっている


P1010054.JPG

尿の塗沫なんだけれども、起因菌は(病歴等いろいろな情報を考慮して)大腸菌系統でよかろうとした。
capsuleが厚いのがいたり、何となく球桿菌状のも見える気がする。
klebsiella? acinetobacter? さすがにそこまではまだわからんw 検査技師もそこまではわからんと言っていた。
培養結果は明日明後日に菌種くらいは分かるだろうとのこと。正解合わせがちょっと気になるw

結局のところ抗菌薬は結局ceftriaxone1g×2を提案して施行された。
その後血圧も上昇(低くてカテコールアミンが入っていた)して、尿も増えてきた(乏尿であった)ので、経過はよいはず

細かい事書くのは大変(面倒)なので、勘弁してくださいww


何が言いたいかというと、グラム染色を実施するのは薬剤師主導でも出来ると言う事である。
別に自分で染めたわけではなく、看護師に検体採取を指示(丁重にお願い)して、細菌検査技師に指示(丁重にお願い)してここまでたどり着く事ができる。

いずれ自分で染めてみたいと思うし、手技自体はそこまで難しくはないだろうけど、結果の解釈には検査技師の力が必要だ。
経験をたくさん積めるだけの環境にいないので、やはりモチはモチ屋だ


ここまでやっている薬剤師はどのくらいいるのかな?
今度神戸でIDCPの集まりがあるから聞いてみよう。
posted by だっちょ at 00:46| Comment(0) | 臨床活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月19日

抗MRSA薬投与プロトコール1

昨日は当直だったんで、今日は朝から帰宅
ドルトムントの試合を見ながらピスタチオつまみにビール飲みながら、パソコンをいじくっている

至福の刻である


それはさておき、4月から薬剤師の病棟常駐に点数がつくことになった

病棟薬剤業務実施加算
(JSHPのサイト参照 http://www.jshp.or.jp/cont/12/0210-1.html

この中には「薬剤の投与にあたり、流量又は投与量の計算等の実施」とある

また、平成22年4月30日医政発0430第1号医政局長通知にはこうある。

「薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。」

もう抗MRSA薬は薬剤師のほうで管理しろよってことでおK?
と解釈するべきである

当院はあいかわらず人員が足りないが、何とか無理してでも4月から病棟常駐を達成するつもりらしい
おれはDI担当ということでおそらく常駐はしないことになり、情報はDI室集約型の業務を展開していくことになると考えられる。

当然DIの仕事も忙しくなるが、同時に抗菌化学療法認定薬剤師としては、院内全体の抗菌化学療法に関する情報が得やすくなる。常駐している薬剤師から何かと相談もあろうからね。


ということで、抗菌薬のコンサルテーションはそのまま継続するが、さらに抗MRSA薬の処方を請け負おうというものである。そしてTDMに必要な情報のオーダーを可能にするべく、プロトコールを考えてみる。


「目的」
抗MRSA薬は副作用を防ぐため、そして低感受性化(耐性化)を避けるためにTDMが必須である。また疾患によって必要とする治療期間が異なるために使用には十分な知識が必要である。よって抗菌化学療法認定薬剤師(日本化学療法学会認定:以下認定薬剤師)は主治医と協働して下記プロトコールに基づいた管理を行い、適正な抗MRSA薬の使用を実施する。

「プロトコール」
1.主治医より認定薬剤師に抗MRSA薬投与の指示を行う。
2.認定薬剤師は全身状態、現疾患、基礎疾患、アレルギー歴、副作用歴、抗菌薬投与歴、目的臓器、薬物クリアランス、感受性などを吟味し、もっとも適当な抗MRSA薬を選択し、オーダーを行う。必要に応じて血液培養、尿培養、喀痰培養などの細菌培養、グラム染色オーダーを行う。
3.認定薬剤師は、バンコマイシン、ブルバトシン(アルベカシン)、テイコプラニンに関して薬物血中濃度測定のための採血オーダーを行う。
4.投与後は看護師と協働し、アレルギー、副作用モニタリング、効果モニタリングを行う。
5.血中濃度結果や症状によって、投与スケジュールの変更を行う、
6.投与終了や14日を超える継続については医師の許可を必要とするが、認定薬剤師は積極的に提案するものとする。
7.2号用紙、検査結果などに介入事項について記録する。


・・・どうだろうか
もう少し時間があるのでもうちょっと煮詰めてみる
あまりガチガチにすると医師から嫌われるわ、動きづらくなるわで大変なので、
いい具合に賛同が得られそうなところで妥協しなければならないだろう。

なんかいい情報や意見があれば教えてください。
posted by だっちょ at 11:39| Comment(2) | 臨床活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする