2019年02月04日

抗菌薬TDMガイドラインにおけるバンコマイシンがeGFR(mL/min/1.73m2)に基づいている理由の解釈

いまさらですが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

前回の記事に質問がございましたが、コメント欄では足りませんでしたので、記事としてアップします。ご質問ありがとうございます。


2016年はまだガイドライン作成メンバーではありませんでしたが、解釈すると以下のようになります。


抗菌薬TDMガイドラインで、バンコマイシンの投与設計がCcr (mL/min) ではなく、eGFR(ml/min./1.73m2)としていることには2つ意味があります。
一つ目は、Ccrは(簡単な計算とは言え)計算しなければ通常は自動で表示されていません。このひと手間があるかないかで、ガイドラインの印象が大分変ります。
そこで、eGFRは自動で表示される施設も多いので使用することになりますが、その際、果たしてmL/min/1.73m2にするのか、mL/minにするのか、ということです。もちろんmL/minにするには身長などを利用して単位を調整しなければならないのでやや煩雑ですね。

そもそも近年、なぜ腎機能評価にeGFR(mL/min/1.73m2)が使用されてきているのでしょうか。この理由は、”腎障害の診断基準として”は、/1.73m2などにしなければ、体格に応じた腎障害を診断できないためです(これを日本語で標準化、英語でstandardizationと言います)。ご存知の通り、体格の小さい人の方が大きい人より絶対糸球体ろ過量としては小さいのは当たり前だからです。

つまり、eGFR(mL/min/1.73m2)というのは、”腎障害の診断基準”のためにあります。結局、薬物投与量設計のためにあるわけではないのです。それを、誤解を恐れずに言えば、”強引に投与設計に利用している”というのが、本ガイドラインの真実になります。

強引に投与設計に利用する場合に工夫することとしては、/1.73m2の投与量を示すなど、いわゆる体格に標準化した投与量を示す必要があります。抗がん剤などは/1.73m2などで表示されていますね。もちろん/1.73m2にした方が、やはり適切です。
しかし、/1.73m2よりも/kgの方が、比べていいかどうかは別としても、楽ですね。実はバンコマイシンは、腎毒性があるとはいえ、従来の殺細胞型の抗がん剤よりも、相対的に安全性は極めて高いものです。

ここで、実は、体表面積と体重は、0.66乗の関係にあるという事実を使用します。つまり、平たく言うと、体表面積と体重は相関関係にありますから、体重当たりの投与量を示しちゃおうというのが今回のガイドラインの核となっている考え方になっています。

そういう観点で、抗菌薬TDMガイドラインのバンコマイシンの項をご確認いただければと思います。
posted by だっちょ at 08:10| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月05日

第79回九州山口薬学大会に参加、発表してきました。

おはようございます。

第79回九州山口薬学大会でAMR(薬剤耐性)のシンポジウムで話をしてきました。
参加していただいた方はわかると思いますが、かなりpreliminaryな部分を突っ込んできました。
βラクタム薬をはじめとした特定薬剤治療管理加算のとれない抗菌薬のTDMは、可能ならばやれたほうがいいのにな、などと思っている方が多くいらっしゃると思います。ただし、当然ながらHPLCなどの機器もなければ、時間もない、などが現状とは思います。

その問題を解決するための手段を、是非考えていきませんか。TDMは薬剤師こそ可能とする薬物治療の個別化の根幹になります。薬剤師がさらに飛躍的に活躍していくための1つの戦略として、TDMは間違いなく重要になると思います。

今後ともよろしくお願いします。
posted by だっちょ at 08:11| Comment(5) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月09日

日本薬学会第139年会(千葉) シンポジウム採択されました。

多くの先生方にお声がけさせていただいて、薬学会の公募シンポジウムを今年も申請できたのが7月。先日やっと採択のメールが来たのでひと安心。ご賛同いただいた先生方に、心より御礼申し上げます。

病院薬剤師による研究紹介、いわゆるACID関連のシンポジウムが薬学会で2年連続開催できることは、社会が病院薬剤師に対する研究を要望していることを反映しているものと考える。医療薬学の場に薬剤師ストームを巻き起こしていきたい。ACIDの活動はしっかりと継続していく方針である。
posted by だっちょ at 19:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月26日

8th ACID のお知らせ

第8回ACIDの案内がHPにアップされましたのでご連絡いたします。
http://acid.kenkyuukai.jp/special/?id=26812

m3.comのIDをお持ちの方は、HP(上記URL)からの参加申し込みが可能ですので、ぜひともそちらからお申込みください。
IDをお持ちでない方は、メール等での参加申し込みをお願いします。

申込〆切:2018年11月13日(火) ※事前の人数確定が必要ですので、お早めにお申込みください。
9月26日追記:特に、今回は最大人数40名までとなっております。先着順で対応させていただきますので、可能な限りお早めにお申し込みくださいませ。

幹事:
   山本 和宏 (神戸大学医学部医学部附属病院 薬剤部)
   尾田 一貴 (熊本大学医学部附属病院 薬剤部)
   安藤 基純 (神戸学院大学 薬学部)

連絡先:上記URL先をご参照ください。

どうぞよろしくお願いいたします。
posted by だっちょ at 13:42| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月25日

2018年9月25日 学位を頂きました。

本日、熊本大学大学院を修了いたしました。これまでお世話になった先生方に、心より感謝申し上げます。

以前よりブログをはじめ、多くの先生方にご賛同いただけていることにより、今の私があると思います。
一方で、最近は更新が滞っていることについて、これまでご賛同いただいた先生方に対する背信行為とも思います。今後も何とかブログは継続していきたいと思います。
継続は力なり、という言葉を大切にしていきます。そして様々なことに対する準備をしっかり行って、何ごとにも真面目に真摯に対応していきたいと、学位を頂いた今は心よりそう思います。

学位を頂いた今、何が重要かを改めて考えますと、やはりどれほど一薬剤師として、一博士として社会に貢献できるか、に尽きるかと思います。このために、これからもブログやACID、臨床研究や教育、様々な点において、医療薬学、薬剤師の発展に貢献したく思います。

今後とも多くの先生方にお世話になるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
posted by だっちょ at 14:19| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする